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自動仕分け機で多品種・小ロットに対応!EC物流の出荷作業を自動化

2025/10/07

物流

自動仕分け EC物流

自動仕分け機で多品種・小ロットに対応!EC物流の出荷作業を自動化

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    近年、EC市場は急速に拡大しています。アパレル、食品、日用品など、扱う商品の種類が多様化し、1回の注文あたりのロットも小口化する傾向が顕著です。さらに「当日出荷」「翌日配送」といったスピード対応が求められることで、物流現場の負担は増加しています。

    こうした環境下で大きな負担となっているのが、出荷工程の仕分け作業です。従来の人手中心の仕分けでは、スピードや正確性に限界があり、人材不足の中では持続的な対応が難しくなっています。

    そこで注目されているのが、自動仕分け機(ソーター)による出荷作業の自動化です。特に「多品種・小ロット」に強い仕分けソリューションを導入することで、EC物流の課題解決につながります。今回は、自動仕分けシステムの基本と種類、そして伊東電機が提供する柔軟な仕分けソリューションについてご紹介します。

    1. 自動仕分けシステム(ソーター)とは?

    自動仕分けシステム(ソーター)とは、商品や荷物をあらかじめ設定されたルールに基づいて自動的に仕分ける仕組みです。従来の人手による仕分けと比べて、スピード・正確性・安定性で優位性を持ち、物流現場における出荷工程の効率化に大きく貢献します。

    具体的には、伝票やバーコード、RFIDを読み取り、配送先・エリア・サイズ・配送業者ごとに荷物を振り分けます。仕分け先はラックやコンテナ、シュート(投入口)などに自動で割り当てられ、手作業を最小限に抑えることが可能です。

    特にEC物流では、「1時間で数千件以上の出荷を、正確かつ短時間で完了させる」ことが求められるため、自動仕分けシステムの導入は欠かせない施策となっています。

    2.【失敗しない】自動仕分け機の選び方 3つの重要ポイント

    自動仕分け機は高額な投資です。もし自社に合わない機器を導入してしまうと、思うように活用できず「宝の持ち腐れ」になってしまいます。そこで、選定時に必ず確認したい3つのポイントをご紹介します。

    ① 処理能力(スピード)
    最初に確認すべきは、「1時間あたり何個の商品を仕分けられるか」という処理能力です。日常的な出荷量だけでなく、セールやキャンペーン時のピーク出荷量を基準に検討することが重要です。また、将来的な事業拡大による物量増加も想定し、少し余裕を持ったスペックを選びましょう。

    ② 商品の多様性への対応
    ECでは小さなアクセサリーから重量のある飲料ケースまで、商品は多種多様。選定時には以下を確認しましょう。

    • サイズ・重量:軽量なものから重量物まで対応できるか
    • 形状・材質:段ボール、ビニール包装、アパレル、不定形商品にも対応可能か
    • 商品の特性:壊れやすいものや柔らかいものは、衝撃の少ない仕分け方式が望ましい

    ③ 設置環境・拡張性
    「大型機械を入れたいが倉庫に収まらない」というケースは珍しくありません。

    • 既存倉庫のスペースや柱などの障害物を避けて設置できるか
    • 将来の物量増加に合わせて増設やレイアウト変更が容易か
    • これらを確認することで、長期的に使える仕分け機を選べます。

    3. 自動仕分けシステムの種類

    自動仕分け機(ソーター)は、コンベアラインに商品を流し、バーコードやICタグを読み取って仕分け先に振り分ける仕組みです。大量の商品をスピーディーに処理できるため、EC物流や小売業の大型センターで幅広く導入されています。
    ソーターには、構造や仕分け方法の違いによっていくつかの種類があり、それぞれに適した用途があります。ここでは、物流現場でよく利用される代表的なソーターを取り上げ、その特徴をご紹介します。
    自社の取り扱い商品や出荷量をイメージしながら、どのタイプが最適か検討してみてください。

    高速・大量処理が得意な「定置式ソーター」

    大規模な物流センターで、大量の荷物を高速で仕分けることを目的としたタイプです。コンベアラインに組み込まれ、一度設置すると移動させることは難しいですが、圧倒的な処理能力を誇ります。

    <種類>
    ・スライドシュー式
    コンベア上の「シュー(板)」が商品をスライドさせて押し出す方式。頑丈で高速処理に優れ、段ボールケースなどの仕分けに最も広く採用されています。衝撃に弱い商品には向きません。

    ・クロスベルト式
    商品を載せたベルトコンベアが直角に動いて優しく滑り落とす方式。衝撃が少ないため、壊れやすい商品やアパレルなどの不定形な袋物の仕分けが得意。高価で大規模になりやすいです。

    ・ポップアップ式(ディバータ)
    コンベアの表面からローラーやボールが突き上がり(ポップアップ)、商品の進行方向を変える方式。比較的コンパクトで、中程度の処理能力を持ちます。伊東電機の「POP-UP DIVERTER」もこの一種です。

    ・パン式(チルトトレー式)
    商品を載せた「パン(受け皿)」が傾くことで商品をシュートに投下する方式。小物や書籍、CDなどの仕分けによく利用されます。形状がユニークで、円形(ループ式)のレイアウトが多いのが特徴です。

    柔軟性と拡張性に優れた「ロボットソーター(AGV/AMR型)」

    比較的新しいタイプのソーターで、床面を多数の小型ロボットが自律走行して仕分けを行います。

    <種類>
    ・AGV/AMR型
    ロボットが商品を受け取り、指定された仕分け先まで運んで投下します。レイアウトの自由度が非常に高く、物量に応じてロボットの台数を増減できるのが最大のメリット。t-Sortなどが代表的です。中小規模のEC倉庫や、物量の変動が激しい現場に適しています。

    省スペース・小物仕分けに特化したソリューション

    上記以外にも、特定の用途やスペースに特化したユニークなソーターが存在します。

    <種類>
    ・モジュール式
    コンベヤの部品(モジュール)を自由に組み合わせて構築するタイプ。倉庫の形状に合わせて柔軟にレイアウトでき、後からの増設も容易です。伊東電機の「id-SORTER」などがこれにあたり、ピース単位の細かい仕分けや、限られたスペースの有効活用に強みを発揮します。

    ・GTP(Goods to Person)連動型
    これは単体のソーターではありませんが、棚を運ぶロボット(GTP)と仕分けシステムを連携させる方法です。ロボットが持ってきた商品を人がピッキングし、そのまま仕分け用のコンベアや棚に入れることで、歩行距離ゼロの効率的な仕分けを実現します。

    それぞれに得意・不得意があるため、「荷物量」「商品特性」「設置スペース」「予算」に応じて最適なソーターを選ぶことが重要です。

    4.EC物流に自動仕分け機を導入する5つのメリット

    人手に頼っていた作業を自動化することで、EC事業者は多くの効果を得られます。代表的な5つのメリットを見ていきましょう。

    ① 圧倒的な生産性向上
    機械は24時間365日、安定したパフォーマンスで稼働できます。手作業とは比較にならない処理能力で、セール期間などの物量波動にも柔軟に対応。出荷キャパシティが飛躍的に向上します。

    ② 誤出荷の劇的な削減
    ヒューマンエラーは、熟練度に関わらず起こりがちです。しかし、自動仕分け機はバーコードやICタグによる 正確な仕分けを行うため、誤出荷を根本から防止。クレームや再配送コストを削減でき、顧客からの信頼性も向上します。

    ③ 省人化と人手不足の解消
    単調で負担の大きい仕分け作業を自動化することで、必要な人員を大幅に削減できます。その結果、スタッフは 検品・梱包・在庫管理など付加価値の高い業務に集中でき、採用難の時代でも安定した倉庫運営が実現します。

    ④ 倉庫スペースの有効活用
    手作業による仕分けは、動線確保や一時保管スペースが必要で、広い面積を占有していました。一方、自動仕分け機なら コンパクトなエリアで大量処理が可能になり、倉庫内スペースを効率的に活用できます。

    ⑤ 顧客満足度の向上
    仕分け処理のスピードアップは リードタイムの短縮につながります。「注文した商品が早く、正確に届く」という体験は、顧客満足度を高め、リピート購入を促進する大きな要因となります。

    5.EC物流の「今」に応える伊東電機のソリューション

    ここまで一般的な自動仕分け機について解説してきましたが、特に多品種・小ロット化が進む現代のEC物流においては、従来の大規模なソーターでは「オーバースペックで高価すぎる」「設置スペースがない」といった課題も少なくありません。
    伊東電機は、そのような現場の”リアルな悩み”に寄り添うソリューションを提供します。コンベヤの常識を変えたコア技術「MDR(モーターローラー)」を基盤に、お客様の現場にジャストフィットする、柔軟で拡張性の高い自動仕分けシステムをご提案します。

    強み①:ピース単位・小物仕分けに革命を。モジュール式ソーター「id-SORTER」

    伊東電機のソーターにおける強みは、電動ローラ式コンベヤ(MDR)を用いた自社開発のモジュールによる、衝撃の少ないスムーズな搬送と正確な仕分け技術です。コンベヤのモジュールを組み合わせることで、お客様の倉庫の広さや形状、必要な仕分け数に合わせて自由自在にレイアウトを構築できるのが最大の強みです。

    id-SORTERの3つの特長:
    ・柔軟なレイアウト設計
    コンベヤのモジュールをレゴブロックのように組み合わせることで、倉庫の広さや柱などの障害物を避けながら、自由自在にレイアウトを構築できます。デッドスペースになりがちな場所も、価値ある仕分けラインに変えることが可能です。

    ・優れたスケーラビリティ
    「まずは小規模で導入し、事業の成長に合わせて後からユニットを増設する」といった段階的な投資が可能です。変化の速いECビジネスのリスクを最小限に抑えながら、将来の物量増加に柔軟に対応できます。

    ・不定形ワークにも強い搬送力
    衝撃の少ないスムーズな搬送技術により、段ボールだけでなく、アパレル商品が入った袋物や、化粧品の小箱といった、従来のコンベヤが苦手としていた不定形・軽量なワークの仕分けも得意としています。

    強み②:すべてのソリューションを支えるコア技術「MDR(パワーモーラ)」

    伊東電機のマテハン機器の心臓部となっているのが、モーターを内蔵したローラー「MDR(Motor-Driven Roller)」、通称「パワーモーラ」です。1988年にDCブラシレスモータを採用したモータローラを開発し、1999年には現在の『パワーモーラ24』を完成させました。この独自技術により、従来の大規模なコンベヤとは一線を画すメリットが生まれます。

    MDRがもたらす4つの価値:
    ・安全性と施工の容易さ(DC24V)
    感電リスクが極めて低いDC24V(直流24ボルト)で駆動するため、メンテナンス時や緊急時の安全性が高く、電気に関する専門知識がない作業者でも安心して機器周辺で作業できます。また、特別な電気工事資格が不要なケースが多く、設置やレイアウト変更も比較的容易に行えます。火災リスクも低く、倉庫全体の安全性向上に貢献します。

    ・圧倒的な省エネ性能(ランオンデマンド)
    MDRは1本1本が独立して制御されるため、荷物が来た時だけ回転する「ランオンデマンド」方式で稼働します。常にコンベヤ全体を動かす従来のベルトコンベヤと比較して、消費電力を最大60%削減することが可能です。24時間365日稼働する自動化倉庫において、10年、20年の長期運用では数千万円単位のランニングコスト削減効果があります。

    ・静かでクリーンな作業環境
    大型モーターやチェーン駆動方式と異なり、稼働音が非常に静かです。チェーンやベルトといった消耗部品も少なく、メンテナンスコストと手間を削減。作業者同士のコミュニケーションを妨げず、ストレスの少ない快適な倉庫環境づくりに貢献します。

    ・高度な制御機能
    『MDR(パワーモーラ)』は制御基板により、起動・停止、スピードの可変、回転方向変更、エラー出力信号のアウトプットなど、制御のインテリジェンス化に必要な機能を充実させています。この高度な制御機能が、次世代の自動化システムを支えています。

    強み③:構想段階から伴走。現場に寄り添う提案力とサポート体制

    優れた製品や技術があっても、お客様の現場に合わなければ意味がありません。伊東電機は、機器をただ販売するのではなく、お客様の課題解決をゴールとしたトータルサポートを大切にしています。

    3つのステップで実現する課題解決:
    ステップ1:課題の見える化
    まずは現状の物量、作業動線、倉庫のレイアウトなどを丁寧にヒアリング。どこにボトルネックがあるのかを、お客様と一緒になって分析し、課題を明確化します。

    ステップ2:最適なソリューション提案
    分析結果に基づき、豊富な製品ラインナップの中から最適な組み合わせをご提案。3Dシミュレーションなどを活用し、導入後の姿を具体的にイメージしていただきながら、納得のいくプランを練り上げます。

    ステップ3:導入後も安心のフォローアップ
    設置して終わりではなく、安定稼働に向けたサポートや、将来の物量増加に合わせた増設のご相談など、長期的な視点でお客様の事業成長を支えるパートナーであり続けます。

    伊東電機にご相談ください

    EC市場の拡大に伴い、出荷業務の効率化は避けて通れない課題です。その解決策として注目されているのがソーターによる仕分け自動化。しかし、成功のポイントは「ただ高額な設備を導入すること」ではありません。「自社の成長に合わせて拡張できるか」「限られたスペースを有効活用できるか」「働く人にとって安全で快適か」といった視点が、変化の激しいEC物流においては特に重要です。

    伊東電機では、MDR(モジュラードライブローラ)技術を活用したソーターソリューションをご用意しています。コンパクトで拡張性が高く、従来の大規模ソーターよりも柔軟に導入可能。多品種・小ロットが求められるEC物流現場に最適です。

    さらに導入にあたっては、以下のような補助金・税制優遇制度を活用できるケースもあります。

    ■事業再構築補助金
    ■中小企業投資促進税制
    ■中小企業経営強化税制
    ■ものづくり補助金

    少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽に伊東電機までお問い合わせください。物流のプロフェッショナルが、貴社の課題に最適なソリューションをご提案いたします。