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EC物流とは?仕組みから課題、改善のポイントまで完全解説

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近年、インターネット通販(EC)市場は急速に拡大し、今や私たちの生活に欠かせない存在となりました。しかしその裏側では、EC事業者や物流現場が「誤出荷」「在庫ミス」「発送遅延」など、さまざまな課題に直面しています。複雑化する注文形態、予測しづらい物量変動、そして高まる顧客の期待により、従来の仕組みだけでは対応が難しくなっています。
今回は、「EC物流とは何か?」を基礎から解説し、BtoB物流との違いや現場で頻発する課題、さらに誤出荷や在庫ミスを放置することで生じる深刻なリスクについて掘り下げます。加えて、こうした「倉庫の悩み」を根本から解決するための自動化ソリューション、特に伊東電機が提供する独自のMDR式マテハン技術(モータ内蔵ローラーによる搬送システム)が、どのように効率化と品質向上を実現するのかを具体的にご紹介します。
「物流の見直し」を検討しているEC事業者様や、急増する出荷量に悩む現場責任者様にとって、必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
1. EC物流とは?──BtoB物流と異なる3つの特徴を徹底解説

EC物流とは、ECサイトで注文された商品を顧客の手元に届けるまでのすべての物流プロセスを指します。BtoB(企業間取引)物流とは異なる特有の性質を持っており、その違いを理解することが「倉庫の課題」や「誤出荷リスク」を解決する第一歩となります。ここでは、EC物流ならではの3つの特徴を整理します。
特徴① SKU数の多さと少量多頻度出荷
BtoB物流が「特定の商品を大量に扱う」傾向があるのに対し、EC物流では数千〜数万点に及ぶ多種多様なSKUを少量ずつ扱うのが一般的です。
・SKU数が膨大:アパレル、雑貨、家電、食品など幅広いジャンルを扱うため、在庫管理の複雑さが増します。
・少量多頻度出荷:1件あたり数点の商品を日に何千件も処理する必要があり、作業負荷が大きいのが特徴です。
・ピッキングの難易度が高い:膨大なSKUの中から正確に商品をピッキングするのは難しく、ピッキングリストの読み間違いや類似商品の取り違えによる誤出荷リスクが高まります。
特徴② 予測困難な繁忙期と突発的な物量変動
EC物流は、BtoB物流と比べて物量変動の予測が難しいのも大きな特徴です。
・セールやSNSの影響:年末商戦やAmazon Prime Dayなどのセール、SNSでのバズ、メディア露出、さらには天候などによって、突発的に注文が急増します。
・短期人員確保の難しさ:繁忙期対応のためにアルバイトを短期採用するのは難しく、コスト管理も煩雑になりがちです。
・発送遅延リスク:リソース不足による発送遅延は、顧客満足度の低下やECサイトの評価ダウンに直結します。
特徴③ 「即日・送料無料」が当たり前のサービスレベル
現代の消費者は、「早く・正確に・丁寧に届くこと」を当たり前のサービス水準と考えています。
求められる品質:丁寧な梱包、正確な商品出荷、迅速な配送スピードが必須。
SNS時代のリスク:たった1件の誤出荷や発送遅延でも、SNSで瞬時に拡散され、ブランドイメージの失墜・顧客離脱といった大きなリスクにつながります。
2.EC物流現場の4つの課題
EC物流にはBtoB物流とは異なる特徴があります。その特性が現場では「倉庫の悩み」として具体的な課題となって浮き彫りになっています。
ここでは、EC事業者に共通する4つの代表的な課題を解説します。
課題①【人の課題】慢性的な人手不足と採用難
EC物流の最大の課題は、慢性的な人手不足です。
・労働人口の減少と採用難:少子高齢化に伴う労働人口の減少に加え、物流業界は「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージが根強く、人材確保が困難です。特に、繁閑の差が激しい物量変動に柔軟に対応できる人材の採用は容易ではありません。
・現場負担の増加と離職リスク:限られた人員で繁忙期に対応するため、残業が常態化し、従業員の負担が増大。結果として離職を招き、さらに人手不足が深刻化する悪循環に陥ります。
課題②【ミスの課題】なくならない誤出荷と在庫差異
EC物流現場では、ヒューマンエラーによるミスが避けられません。
・複雑な作業によるピッキングミス:多品種・少量出荷の特性上、SKU数が多く、ピッキングや仕分け作業が複雑になり、誤出荷や在庫差異の温床となります。
・目視検品の限界:人の目による確認作業は疲労や集中力低下で精度が落ち、誤出荷や在庫ミスを完全に防ぐことは困難です。その結果、販売機会の損失や過剰在庫の発生につながります。
課題③【時間の課題】“すぐ届く”を支えるリードタイム短縮への圧力
「即日配送」「翌日配送」が当たり前となった今、EC物流は常にリードタイム短縮のプレッシャーにさらされています。
・属人的な作業による時間ロス:入庫から出荷までの工程に手作業や熟練者依存が残っていると、作業スピードにばらつきが生じ、全体のリードタイムに影響します。
・競争激化によるスピード要求:顧客満足度を高めるため、競合との差別化要素として「配送スピード」が重視され、現場にはさらなるスピードアップが求められます。結果、発送遅延リスクが増大します。
課題④【管理の課題】在庫管理の不正確さとキャッシュフロー悪化
EC事業において、正確な在庫管理は経営の生命線です。
・在庫差異による損失:誤出荷や在庫ミスにより「売り逃し」や「欠品」、過剰在庫が発生。これにより販売機会を失ったり、倉庫スペースや保管コストを圧迫したりします。
・経営判断への影響:リアルタイムで正確な在庫を把握できなければ、仕入れ計画・販売戦略・プロモーション施策など経営判断に悪影響を及ぼします。
3.EC倉庫の「誤出荷・在庫ミス」を放置するとどうなる?
EC物流における「EC誤出荷」や「在庫ミス」は、単なる現場のトラブルではなく、事業存続を脅かす深刻なリスクにつながります。「倉庫の悩み」を放置することのリスクを理解しましょう。
【リスク1】直接コストの増加
・再送料・返品対応コスト:誤出荷が発生すると、再発送の送料や返品対応、追加作業にかかる人件費が直接的なコストとして増加します。
・棚卸し負担の増大:在庫差異が多いと、正しい在庫数を確認するための棚卸しに膨大な時間とコストが必要になります。
【リスク2】顧客離れによる売上機会損失
・ネガティブレビュー拡散:誤出荷や発送遅延は、ECサイトやSNSに不満レビューとして拡散されやすく、新規顧客獲得を阻害します。
・リピーター離脱:一度の不手際で信頼を失うと、顧客は離脱し、安定的なリピーター売上を失うことになります。
【リスク3】在庫管理の破綻とキャッシュフローの悪化
・売り逃し・欠品・過剰在庫:在庫差異は「売れる商品が販売できない」「欠品によるキャンセル増加」「過剰在庫による保管コスト増」などを招きます。
・信用失墜と経営への影響:不正確な在庫情報は顧客や取引先の信頼を失い、経営判断の精度も低下。長期的には企業全体の信用問題に発展しかねません。
4.解決のカギは無理なく始める倉庫の自動化!導入のメリット・デメリット

EC物流の複雑な課題を解決し、「倉庫の悩み」を解消するポイントは、「無理なくはじめる倉庫の自動化」にあります。大規模な倉庫構築を伴う全面的な自動化は、高額な初期投資とリスクを伴いますが、ピンポイント自動化のアプローチであれば、EC事業者のニーズに合わせた柔軟な導入が可能です。
なぜ「ピンポイント自動化」がEC物流に最適なのか
EC物流の自動化を検討する際に効果的なのが、スモールスタートでの「ピンポイント自動化」です。その理由を3つのメリットから解説します。
メリット① 低コスト・短期間で導入可能
倉庫全体を大規模に改修するのではなく、特定の工程に絞って自動化を行うため、初期投資を大幅に削減できます。事業を止めずに導入でき、短期間で効果を実感できるのも大きな魅力です。
例えば、伊東電機のモジュール型システムは、この低コスト・短期間導入を特に得意としています。
メリット② 高い投資対効果(ROI)
最も課題が顕著で改善効果が大きい「ボトルネック工程」から着手するため、投入した費用に対する成果を早期に得られます。その結果、自動化投資が次の成長へと繋がりやすくなります。伊東電機の提供するソリューションは、確実な効果でROIの最大化を強力にサポートします。
メリット③ 段階的な拡張が可能
事業の成長や物量の増減に合わせて、自動化範囲を徐々に広げられるのも特長です。これにより、過剰投資を避けつつ、柔軟に対応できる倉庫を構築できます。
伊東電機のMDR式マテハンは、そのモジュール性により高い拡張性を備え、お客様の成長に合わせてシステムを育ていけます。
自動化導入における注意点と成功のポイント
「自動化は難しい」という先入観をなくすために、導入時の注意点と対策も押さえておきましょう。
・システム連携とオペレーション改善は必須
自動化機器は、WMS(倉庫管理システム)などの上位システムとの情報連携が不可欠です。また、導入後は従来の手作業オペレーションを見直し、自動化に適した業務フローへ変えていく必要があります。
・成功の鍵は「パートナー選び」
導入を成功させるためには、自社の課題を的確に理解し、現場に寄り添った最適な提案を行えるベンダーを選ぶことが重要です。特に、EC物流特有の課題や既存システムとの連携に精通し、作業者への配慮まで含めてトータルサポートできるパートナーが理想です。
伊東電機は、長年のマテハン実績と独自のMDR技術を強みに、こうしたニーズに応えるパートナーとしてお客様を支援しています。
5.どこを自動化すべき?EC物流の2大ボトルネック工程
効率的に課題を解決するためには、まず影響の大きいボトルネック工程から着手することが効果的です。特に、誤出荷・在庫ミス・発送遅延の原因になりやすい以下の2つの工程に注目しましょう。
ボトルネック① 仕分け工程(誤出荷の温床)
・注文ごとの正確な商品振り分けが難しい
多品種・小ロットが当たり前のEC注文では、顧客ごとに商品を正確に仕分ける作業が膨大かつ複雑で、少しのミスが誤出荷に直結します。
・熟練者依存と作業スピードのばらつき
仕分け作業が経験やスキルに依存するため、熟練者が不在だと処理スピードが落ちたり品質にばらつきが生じたりします。特に繁忙期には、これが発送遅延の大きな要因となります。
ボトルネック② 搬送工程(“歩く時間”のムダ)
・移動に費やす時間が莫大
倉庫が広いほど、ピッキングした商品を梱包エリアや出荷場まで運ぶ「移動時間」が膨らみます。この“歩く時間”は付加価値を生まない非効率作業です。
・疲労と生産性低下の原因に
長距離移動や台車での搬送は、作業員の身体的負担を増やし、集中力の低下やミス発生を招きます。その結果、人手不足をさらに悪化させる要因となります。
【課題解決】伊東電機のソリューションで2大ボトルネックを解消!
伊東電機は、EC物流の2大ボトルネックである「仕分け」と「搬送」の課題に対し、コア技術であるMDR(モジュラードライブローラー)を応用した独自の自動化ソリューションを提供しています。
これにより、EC誤出荷・在庫ミスといった「倉庫の悩み」を根本から解消し、EC物流の生産性と品質を飛躍的に向上させます。
《仕分けの課題を解決》ミスのない高速仕分けを実現する【id-SORTER】

<伊東電機の強み>
バーコードを読み取り、自動で商品を仕分けるMDR式ソーター「id-SORTER」は、ヒューマンエラーを根本から排除します。熟練者でなくても、ベテランと同等の精度とスピードで仕分けが可能となり、EC誤出荷ゼロを目指す現場に最適です。特に、多品種・小ロットの増加が顕著なEC物流において、その高速性と正確性が最大限に発揮されます。
導入効果:
- EC誤出荷率の大幅低減
- 仕分け作業の高速化
- 人手削減(省人化)
- 作業品質の均一化
《搬送の課題を解決》“人が歩かない倉庫”を作るモジュール式搬送システム【id-PAC®】

<伊東電機の強み>
必要な区間だけをコンベヤで接続し、ピッキング後の商品を自動搬送。作業者の歩行距離を大幅に削減することで、従業員は価値を生む「ピッキング作業」や「梱包作業」に集中できます。モジュール構造によりレイアウト変更が容易で、物量変動にも柔軟に対応可能。さらに、省エネ設計によりランニングコストも抑制できます。
導入効果:
- 作業員の疲労軽減
- 人手削減(省人化)
- 発送遅延リスクの低減
- 倉庫全体の生産性向上
MDR式マテハンの魅力を体感できる!伊東電機イノベーションセンター

栃木県小山市にある「伊東電機イノベーションセンター」では、MDR式マテハンの「動く仕組み」「静かさ」「柔軟性」を、実際に見て、触れて、ご体感いただけます。
専門スタッフが貴社の物流課題に合わせたデモンストレーションを実施し、導入イメージを具体的に描けるサポートを行います。EC物流の効率化・省人化・品質向上に向けた新しい可能性を、ぜひイノベーションセンターでご確認ください。
6.伊東電機にご相談ください
今回は、「EC物流とは何か?」という問いから、その特徴、現場が抱える具体的な課題、そして「EC誤出荷」「在庫ミス」を放置することのリスクを解説しました。これらの「倉庫の悩み」を解決し、EC物流の競争力を高めるためには、”無理なくはじめる倉庫の自動化”が不可欠です。
特に「仕分け」と「搬送」という2大ボトルネック工程の自動化は、EC誤出荷の削減、発送遅延の防止、省人化、生産性向上に直結します。伊東電機のid-SORTERやid-PAC®のようなMDR式マテハンは、スモールスタートから導入でき、省エネ、短納期、柔軟性といった強みで、お客様のEC物流を強力にサポートします。
「うちの倉庫の悩みも解決できる?」「具体的な自動化のステップを知りたい」「物流の見直しを検討している」といった疑問をお持ちのEC事業者様、現場責任者様は、ぜひお気軽に伊東電機までご相談ください。物流のプロフェッショナルが、貴社の課題に最適なソリューションをご提案いたします。
また、導入の際には以下のような補助金・税制優遇制度を活用できる場合もあります。伊東電機では、貴社に最適な補助金をご提案しながら、スムーズな導入をサポートいたします。
■事業再構築補助金
■中小企業投資促進税制
■中小企業経営強化税制
■ものづくり補助金
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽に伊東電機までお問い合わせください。物流のプロフェッショナルが、貴社の課題に最適なソリューションをご提案いたします。



