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型式例
ローラー外径
モータタイプ
呼び周速 ローラー長さ
電圧
各種仕様
選定について

パワーモーラ基礎知識

選定について

営業マン: まずは基本中の基本ですが、パワーモーラとは、工場内で物を搬送させるときに使う コンベヤのローラ内にモータを搭載したモータローラで、電源を入れるとローラが回る仕組みになっています。 そこでご質問ですが、パワーモーラは何種類ぐらいあるかご存知ですか?
設計者: えー・・・・パイプ径がΦ38からあって・・・・速度も様々だな。それから電源の種類もあって・・・多すぎてわからないな。
営業マン: そうですね。今、言われた他、長さやオプション仕様の選択もあるので一概に何種類あるとは言えないのです。これもお客様の様々な要望に応えるため、これだけ色々な事を選択できるようにしました
設計者: でも、これだけ選択項目が多かったら何から決めていけばいいのか分からなくなるな。
営業マン: そこで今から選定についてポイントとなる内容を説明します。まず、おおよその搬送速度を決めます。 実際にコンベヤの搬送速度としてはどれくらいをお考えですか?
設計者: そうだな・・・10秒間で1.5m程度を搬送できればいいから、9〜10m/minってところかな?

営業マン: それでは、おおよその搬送速度は10m/minとします。次に搬送物の接線力Fを求めます。
設計者: 接線力とは何ですか?
営業マン: 簡単に言えば搬送物を搬送するために必要な力のことです。 これとパワーモーラの搬送接線力との関係で、搬送できるかが決まります。
設計者: どうやって搬送物の接線力Fを求めるのですか?
営業マン: 搬送物の重量と底面の材質が判れば求められます
設計者: なぜ底面の材質が必要ですか?
営業マン: 搬送時には重量のほかに摩擦係数μが大きく影響するからです。
たとえば、机や本棚を移動するとき、通常なら大きな力が必要となるところに、下に滑りやすい素材を挟むと楽に移動できますよね。それと同じことで重量が同じでも摩擦係数μが変わると、搬送物を動かすのに必要な力が変わってくるからです。
設計者: なるほど、質量だけじゃダメなんだな。
営業マン: 接線力Fは、9.8×搬送物の重量(kg)×材質による転がり摩擦係数μで算出されます。
その値と、パワーモーラの搬送接線力を比較して選定します。
パワーモーラの搬送接線力<搬送物を搬送するために必要な力Fとなっていると搬送できないですからね。
設計者: なるほど。ええと・・・・搬送物の重さは40kgで、底面材質はダンボールだから、材質による転がり摩擦係数μを0.1とすると接線力Fは9.8×40kg×0.1=39.2Nだな。

金属 樹脂 ダンボール ゴム
0.01-0.02 0.02-0.04 0.02-0.05 0.05-0.1 0.1

営業マン: 次にカタログを見て機種を決めますが、その前におおよその機種選択と使用される電源と周波数の確認をお願いします。それによってカタログを見るページが変わってきますので・・・・

ローラ径(mm)
DC24V
AC3相
AC単相
軽荷重
(30kg以下)
φ38 PM380DS PM380AS
PM380AU
PM380AS
φ42.7 PM427DS PM427AS
PM427AU
PM427AS

軽・中荷重
(100kg以下)

φ48.6 PM486FE PM486BS
PM486BU
PM486BS
φ50 PM500FE PM500BS
PM500BU
PM500BS
中・重荷重
(300kg以下)
φ57 PM570FE PM570AS
PM570BP
PM570AU
PM570AS
φ60.5 PM605FE PM605AS
PM605BP
PM605AU
PM605AS
重荷重
(500kg以下)
φ76.3
-
PM763BS
-

設計者: 電源は3相200Vの50Hzで重さは40kgだから、この表でいうと軽・中荷重のΦ48.6のPM486BS/PM486BU、Φ50のPM500BS/PM500BUになるな。確かBS・BUはモータのタイプを表しているんだったな。
営業マン:

パイプ径の選択方法は後に説明いたしますが、取りあえずΦ48.6とします。モータのタイプについても別途説明しますが、ここは標準タイプのPM486BSとしましょう。

設計者:

そうするとカタログでは・・・・ 速度が10m/minくらいで、接線力F が39.2N以上のパワーモーラはっと ・・あれ、表に接線力が定格と搬送の2種類あるけど、どちらをみればいいんだ?

 
営業マン:

接線力の「搬送」側を参照して ください。「定格」についてはまた別の機会に説明させていただきます。

設計者:

それじゃあっと・・PM486BSの呼び周速10が使えそうだな。

営業マン:

次はパイプ寸法を決めます。パイプ寸法は原則として図のように搬送物の幅よりも長い寸法を指定します。実際に搬送物を測っていただけますか。


設計者:

搬送物の長さは400mmで幅は500mm・・・うん?どちらが長さでどちらが幅になるんだ?

営業マン:

搬送物の進行方向によって決まります。同じ搬送物でも進行方向によってパイプ寸法が違ってくるので注意が必要です。

 

設計者: よし、測れた。搬送物の長さは400mmで幅は500mmだな。じゃあパイプ寸法は少し長めで600mmぐらいだな。
営業マン:

そうですね。これでパワーモーラのタイプとパイプ寸法が決まりましたので許容荷重を確認しましょう。

設計者: 許容荷重とは何ですか。
営業マン: 搬送物を何本のローラで受けるか、つまりローラ1本あたりに掛かる荷重のことです。
許容荷重の範囲を超えた使用はパワーモーラの破損に繋がります。今回は搬送物を常時4本のローラで受けるようにしましょう。

設計者: そうするとローラ1本当たりに掛かる荷重は 40(kg)÷4(本)=10(kg/本) だな。
PM486BSでパイプ寸法600mmの許容荷重は35kgだから十分条件を満たしているな。
・パイプ許容荷重
型式
パイプ寸法(mm)
200
250
300
400
500
600
700
800
900
1000
PM486BS
PM486BU
65
65
65
55
45
35
30
25
20
20
(単位:kg)
営業マン: では、今までに決めてきたことをまとめます。
まず、搬送速度が約10m/minの指定なので呼び速度は10、電源は3相200V、機種はPM486BS、パイプ寸法は600mmですね。
では、以上のことを実際の型式にすると、PM486BS-10-600-3-200 となります。
後、使われる環境や使い方も大きなポイントです。
たとえば水洗いするラインに使うなら防水仕様、停止時に保持力がいるならブレーキ仕様を追加する必要がありますし、パワーモーラを長時間ロックする場合があるならアキュームタイプ(この場合はPM486BU)を選ぶ必要があります。
設計者: これで一通り選定ができたな。
営業マン: ちなみに10m/min以上の速度で搬送する場合は1本のパワーモーラでは搬送接線力が足りませんので本数を増やして対応します。
例えば30m/minでの搬送の場合ですと、1本の搬送接線力(N)は21.4なので2本使用すると21.4(N)×2=42.8(N)となり、搬送可能となります。
設計者: なるほど、搬送物が重くなった場合にも対応できるな。
営業マン: 搬送物が重くなれば許容荷重が足りなくなる場合がありますので、搬送物を受けるローラの数を増やす、大きい径のパワーモーラを選定するなどで対応します。
逆に接線力・許容荷重ともに十分条件を満たしているなら、細い径のパワーモーラを選択するのも一つの方法です。径が細くなるとパワーモーラが軽くなって施工が楽ですからね。
設計者: 機種を絞り込む時の参考になるな。
営業マン: あと、忘れてはいけないのが、計算式で求めた値は搬送物の状態がいいものに限られます。
実際は搬送物の底がゆがんでおり、荷重がローラに一定に掛からない、ローラ面の平滑度が出てなくて搬送できないなど様々な状況が想定されます。
設計者: 例えば、搬送物に荷造りのバンドがしてあったり、底面の中心がふくらんでいて搬送物が斜めになってしまうとか…。
営業マン: その場合にも、パワーモーラの本数を増やして、必ず2本 のパワーモーラが搬送物に接触するようにするなどの処理が必要になります。
その他に、軽量物はフリーローラの抵抗によりスリップして搬送できない場合にはモータローラのレベルを高めに設定したり、モータローラをゴムライニングするなどの対策が必要となります。
だから、搬送物の状態をよく確認するということが非常に重要なポイントとなります。
設計者: 実際の計算どおりに行かない場合を想定して余裕を見た数値を取ることや、搬送実験を行うことが必要なんだな。

選定のポイント
パワーモーラ選定には、搬送速度・接線力・電源・搬送物の幅・ローラ1本あたりの
荷重を出すことが必須。使用環境も十分に考慮する。
カタログは接線力の「搬送」側の数値を確認する。
余裕を見た数値で算出することや、搬送実験を行うことが必要。



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